南九十九里浜のヘッドランド工事は見直しへ

〜第2回「一宮の魅力ある海岸づくり会議」〜




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 官民協議会「一宮の魅力ある海岸づくり会議」の第2回会合が(2010年)9月19日、「一宮シーサイドオーツカ」(一宮町)で開かれました。焦点はヘッドランド(人工岬)をどうするか、です。

 ヘッドランドは、九十九里浜の侵食対策として県が1988年から建設を進めているものです。九十九里浜で全22基、そのうち一宮海岸(南九十九里浜)は10基を建設中です。
 建設の目的は侵食対策です。ところが、ちっとも侵食対策になっていません。そればかりか、景観や自然環境をメチャクチャに破壊です。


 鹿島灘は海岸への立ち入りを禁止


 会議では、秋山章男委員(九十九里浜自然誌博物館館長)が、ヘッドランド建設によってアカウミガメの上陸や産卵に大きな影響がでていることを、映像やデータを示して報告しました。
 過去15年間で一宮海岸に211回のアカウミガメの上陸があり、91回の産卵が確認されたとしたうえで、上陸回数が年々減少していることや、アオウミガメの約6割が産卵できずに海に戻ることを話しました。

 中村新吾委員(一宮町サーフィン業組合代表代行)は、「一宮海岸は、1995年と1996年にサーフィン世界大会が開かれるほど、サーフィンに適した波が立つ」と述べ、それがヘッドランドによって阻害されつつあることを述べました。
 また、ヘッドランドが34基つくられた茨城県鹿島灘海岸では、ヘッドランドが離岸流を発生させて危険なため、海岸への立ち入りが禁止されていることや、海岸を擁する大洗町などでは、町のあちこちに立入禁止のポスターが貼られていることも報告しました。海水浴やサーフィンができないばかりか、海岸への立ち入りそのものが禁止になったのです。


 次回会議で県が案を提示


 こうした報告をもとに議論した結果、今後のヘッドランド工事は、形状や工法を見直す方向で検討することになりました。12月開催予定の次回(第3回)の会議で、県が案をいくつか提示します。

 最後に、玉川孫一郎・一宮町長は「鹿島灘はヘッドランドによって離岸流が発生し、海岸が立入禁止になっている。一宮海岸はそんなふうにしてはいけない」と述べました。













一宮海岸(南九十九里浜)で建設中の人工岬「ヘッドランド」

ヘッドランドがほぼ完成している2号と3号の間は、未完成のところ(たとえば9号
と10号の間)や工事対象外(10号の手前の海岸)よりも侵食が激しくなっている。








ヘッドランドがほぼ完成している2号と3号の間は侵食が加速。(写真は2010年2月時点)




整備中のヘッドランド




ヘッドランドが34基つくられた茨城県鹿島灘海岸では、海岸への立ち入り
が禁止されていて、町のあちこちに立入禁止のポスターが貼られている。




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