環境破壊型のメガソーラーはいらない

〜鴨川市のメガソーラー反対集会に85人参加〜




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「鴨川メガソーラー、みんなで考えよう〜これでいいのか、林地開発のメガソーラー〜」と題した集会が2024年1月21日、鴨川市の田原公民館で開かれた。主催は「鴨川の山と川と海を守る会」。参加者は85人。地元の人がほとんどである。会場は超満員で、熱気に満ちあふれた。


国内最大規模の自然破壊型メガソーラー計画

 このメガソーラー(大規模太陽光発電所)計画は、鴨川市田原地区の山林を大規模に伐採する。広さは146ha。約37万本の樹木を伐採し、約47万枚のパネルを設置する。
 予定地は急峻な丘陵地である。尾根筋をすべて切り取って掘り出した大量の土砂で谷を埋める予定だ。切り土と盛り土による土砂の移動量は1300万m3におよぶ。山間地では日本最大級のメガソーラーである。
 巨大開発による自然と景観の破壊は確実である。水源涵養などさまざまな役割をはたしている山林を伐採して開発するため、土砂災害や洪水も誘発する。そのため、「鴨川の山と川と海を守る会」が2017年から反対をつづけている。しかし、事業者の「AS鴨川ソーラーパワー合同会社」は計画を撤回しない。県と鴨川市は業者寄りの姿勢をつづけている。


太陽光発電所は事故が急増

 集会では、東京電気管理技術者協会の専門委員をつとめている鈎(まがり)裕之さんが「地域と共生するメガソーラーの条件とは」と題して講演。鈎さんは国内外のメガソーラーの事故事例にくわしい。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「特殊な設置形態の太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン」で策定委員をつとめた。鈎さんは映像を使い、メガソーラーが引き起こす事故や水害、環境破壊などをくわしく話してくれた。鈎さんは述べた。
    「太陽光発電所は事故がすごく増えている。2021年度は355件も発生した。火力発電、水力発電、原子力発電などほかの発電設備に比べると事故率(100kWあたりの事故件数)も増えている。火力発電所にくらべたら事故がメチャクチャ多い。そのため損害保険会社の太陽光発電の支払いが増えている。今は保険の支払いもきびしいし、加入のハードルもかなり高くなっている。太陽光発電所はそれくらい事故が多い」


CO2を吸収する森林を山ごと丸裸にするのは本末転倒

 講演のあと、メガソーラー計画の問題点や、これまでの運動、県・鴨川市の対応などを「守る会」が報告した。計画をこう批判した。
    「太陽光という再生可能エネルギーを利用するためにCO2を吸収する森林を山ごと丸裸にするのは本末転倒な選択だ」
 質疑討論では今後のとりくみなどについて意見が交わされた。















「鴨川メガソーラー、みんなで考えよう」と題した集会に85人が参加。会場は超満員だった
=2024年1月21日、鴨川市田原公民館




講師の鈎裕之さんは、メガソーラーが引き起こす事故や水害、環境破壊の事例をくわしく紹介した。
写真は鈎さん(演題の前。こちら向き)に質問する参加者(右端)








メガソーラーの建設が計画されている山。鉄塔の上あたりが予定地の一部




予定地の山林=旧鴨川有料道路から撮影




土砂崩れを引き起こしたソーラー施設=千葉県佐倉市(鈎さんの講演映像から)




千葉県長生郡長南町(同上)




ソーラー施行中に法面が崩落。斜面下の市道が13か月通行止めになった=千葉県市原市(同上)








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