千葉県射撃場鉛弾による飲み水汚染問題で

県知事に要望書

〜千葉県自然保護連合など4団体〜




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 『週刊金曜日』第360号(2001年4月20日)に「千葉県民の飲み水が危ない──射撃場の鉛が貯水池周辺を汚染」というショッキングな記事が掲載されました。
 これは、県職員の証言(内部告発)をもとにし、ジャーナリストの須田光照氏が書いたものです。

 1999年11月、市原市の県射撃場から流れ出ている水路で、環境基準値の7倍にあたる鉛が検出されました。しかし、県はこの事実を隠しつづけました。水路の水は、市原、千葉の両市民の水道水源となっている高滝ダムに流れ込んでおり、住民の命と健康に関わる重大な問題です。

 なぜ、こんな有害物質が射撃場の周辺から大量に出たのかというと、同射撃場では、空に飛ばした素焼きの血を散弾銃で狙いうちするクレー射撃が行なわれていて、鉛の散弾が使われているからです。施設内には、発射地点から100メートルほどのところに防護壁が設置されていますが、使用されている弾丸の到達距離は最大235メートルにおよびます。このため、鉛弾が防護壁を飛び越えて、施設外の広範囲に飛散しているのです。1年間に使われる散弾は約200万発で、重さにして約48トン。このうち半分以上が施設外に飛散しているといわれています。施設外の弾は一度も回収されたことがなく、施設外に堆積している鉛は、何百トンにもなります。

 鉛弾の使用は、それを飲み込んだ水鳥が鉛中毒を起こすという問題もあります。
 そこで、千葉県自然保護連合と環境問題市原連絡会、「プロジェクトとけ」などは、情報公開や、きちんとした対策などを求める要望書を県に提出しました。また、射撃場を所管する県自然保護課と交渉をおこないました。



県知事あての要望書



2001年4月26日

 千葉県知事 堂本暁子 様

環境問題市原連絡会
代 表  片 田  勇
プロジェクトとけ
事務局長 川 本 幸 立
千葉・市原丘陵開発と環境を考える連絡会
代 表  植 田 和 雄
千葉県自然保護連合
代 表  牛 野 くみ子


  県射撃場周辺鉛汚染問題について
  調査内容の公表と抜本的な鉛汚染対策などを求める要望書

情報公開を徹底し、財政、会議などをガラス張りにするなど県民との対話を基調に県政を進めることを表明されておられる知事の姿勢に心から賛同します。また、知事が参議院議員時代、鉛弾使用規制に向けてさまざまな取り組みを行われたことに対し敬意を表します。
 さて、今回は射撃場による鉛汚染の問題について要望します。
 射撃場は、騒音のみならず鉛弾による汚染(鳥獣類の鉛中毒、水・土壌汚染など)が全国各地で問題となっていますが、汚染が発覚した自治体では、射撃場の閉鎖や全面改修、鉛の除去など抜本的な鉛汚染防止策がとられつつあります。
 ところで、千葉県市原市古敷谷の県射撃場(管轄は県環境生活部、管理・運営は社団法人千葉県猟友会。1980年建設)周辺で一昨年末に行われた水質調査で、環境基準値(0.01ミリグラム/リットル)の7倍もの鉛を検出していたことが『週刊金曜日』第360号(4月20日)で報道されています。鉛が検出された水路は近接する高滝湖(高滝ダム)につながっており、この高滝湖の水は市原・千葉市民の飲料水、農業用水、工業用水として利用されています。すなわち、県民の生命と健康に関わる水源の水が鉛で汚染されていたことになります。しかも、射撃場の抜本的対策がとられるまでの閉鎖措置や県民への調査内容の公表などは行われていません。
 そこで、住民の安全、健康を保持するという地方自治体の基本任務を果たし、市民自治の実現という立場から、以下のことを要望します。
 ご多忙中とは存じますが、できましたら5月25日までに文書にてご回答くださるようお願い申し上げます。


 要望内容

1.射撃場鉛汚染について以下のことを要望します。
 (1)千葉県射撃場について以下のことを公表すること。
    ・水質などのすべての調査データ
    ・県射撃場環境保全対策検討会の議事録
 (2)当該射撃場について以下の対策をとること。
    ・鉛飛散についての抜本的な対策がとられるまで当該射撃場を閉鎖すること。
    ・施設外の鉛を撤去回収すること。
    ・鉛弾の使用禁止を含む抜本的な対策を検討するため、地元自治体・住民、水道
   水利用者、専門家、猟友会も含めた公開の検討委員会を設置すること。
 (3)県内の他の射撃場周辺についても鉛汚染の状況を調査し、公表すること。 
 (4)鳥獣類の保護、生態系への影響を考慮して、県全域での鉛弾使用禁止も検討する
  こと。

2.高滝湖(ダム)のすべての水質データ、および流砂堆積データの公表を求めます。
  高滝湖は、上流にある産業廃棄物、畜産団地、ゴルフ場の影響による水汚染が著し
 いと聞いています。また、流砂堆積も想定以上の早さで進んでいると聞いています。
  そこで、高滝ダムについて、すでに公表されたデータ以外に関係部署内で保管して
 いるすべての水質に関する調査データおよび流砂堆積データの公表を求めます。

                                                以上
 


 添付資料:『週刊金曜日』第360号の記事








県自然保護課と交渉し、調査結果などの公表や、抜本的対策がとられるまでの射撃場閉鎖、施設外の鉛撤去、全射撃場での鉛弾使用禁止などを求めた。









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