原発停止を求めるデモに4500人

〜エネルギー政策の転換を訴える〜




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 「くり返すな!原発震災 つくろう!脱原発社会」と題した集会とデモ行進が(2011年)4月24日、東京でおこなわれました。主催は「原発とめよう!東京ネットワーク」です。同団体が主催する集会・デモでは最大規模となる4500人が参加しました。


■チェルノブイリでは新鮮な牛乳を飲めない

 集会は、東京タワー近くの芝公園23号地(東京都港区)です。最初に、市民団体「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表が「大きな余震があれば福島第一原発でさらに事故が起きる可能性があることを認識しなければならない」とあいさつしました。
 チェルノブイリ原発事故で被災した住民たちの利益と権利の擁護者として知られているパーベル・ヴドヴィチェンコ氏も参加し、「(汚染された地域では)牛乳から基準を超える放射性物質がしばしば検出されるため、私の孫は新鮮な牛乳を飲めない。核の災いが再び起きることがないようにしましょう」と訴えました。


■今度こそ脱原発社会の実現を

 福島からやってきた人は、こう訴えました。
 「福島県内では76%の土地が放射能汚染の危険にさらさらされている。そこに160万人の人が放置されている。そのうち約30万人は子どもたちだ。しかし、避難したくても避難できない。避難するには勇気が必要だからだ。30万人の子どもたちを助けるか、見殺しにするか、それを決断するのは東京だ。官邸や経済産業省、東電本社などはすべて東京にある。首都圏の人たちが力をあわせ、30万人の子どもたちを守るという決断をせまってほしい」
 最後に、新たな原発事故を防ぐため「今度こそ脱原発社会を実現しましょう」と訴える決議文を採択し、東京電力本社前までデモ行進しました。


■渋谷駅前のデモは5000人

 なお、この日は、地球の環境について考える「アースデイ」にあわせ、渋谷駅前でもデモ行進がおこなわれ、こちらは5000人が参加しました。

 以下は、芝公園23号地で開かれた集会で採択された決議文です。


決議文




 3月11日に発生したマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震は、いまだに余震が続いています。被災地の皆様には心からお見舞いを申し上げます。そして一日も早く救援がより広く、確実に展開されることを願っています。

 この未曽有の事態に加え、人間によってひき起こされた恐ろしい原発震災が発生しました。1979年のスリーマイル、そして1986年のチェルノブイリ原発事故以来、多くの人びとが2度とこのような事故をひきおこしてはならないと思い、原発に頼らないエネルギー政策への転換を求め様々な活動を続けてきました。

 本年はチェルノブイリ事故から25年目になります。この事故を忘れず、さらに強く脱原発の思いをあらたにすべく、各地で集会が準備されていました。その矢先の福島原発震災でした。

 3月11日から50日近く経過した今もなお福島第一原子力発電所では放射性物質の流出が続き、解決の目途はたっていません。福島県のみならず放射能の汚染は海に陸に広汎に広がりつつあります。

 農業者や漁業者からは悔しさと怒りの声があがっています。そして消費者からは食べ物や飲み物の安全性について不安の声が出ています。また原子力発電所現場で働く人たちの被曝問題など計り知れない問題が山積しています。

 そして4月19日、文部科学省は福島県の教育委員会などに対して、子どもも大人と同様の年間で20ミリシーベルトまで被曝してもよいとする通知を出しました。全国の一般人の被曝の年間基準量でさえ1ミリシーベルトなのです。子どもは大人とくらべると放射線の影響を受けやすいという観点を無視しています。絶対に許されることではありません。即時に撤回し、子どもたちに安全な環境を用意することを強く、強く、強く、要求します。

 今後も全国で地震が心配です。気象庁もマグニチュード7以上の地震発生を警告しています。活断層が直下にあり、且つ老朽化が進んでいる原発もあります。そこで地震が起きれば、たとえマグニチュード7以下の地震であっても、福島原発震災を超える第二の原発震災が有り得ると思います。これを防ぐ唯一の方法は、現在稼働中のすべての原発を今すぐ止めることです。

 今、立場の違いはあっても多くの人たちは原子力発電所に対して疑問を持っています。今日私たちは、チェルノブイリ原発事故の汚染地域からパーベルさんを迎え、また福島現地から報告も聞きました。今後絶対に原発震災を起こしてはならないことを深く心に刻みました。この思いをより多くの人に伝えるために力を合わせ、声を大きくし、世論を動かし、今度こそ脱原発社会を実現しましょう。

 2011年4月24日

チェルノブイリ原発事故から25年

くり返すな!原発震災 つくろう!脱原発社会
集会とデモ 参加者一同







東京電力本社前にて







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