放射能汚染物の投棄をやめさせよう

〜小櫃川の水を守る会が講演会〜




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 「小櫃川の水を守る会」(山田周治代表)の総会と講演会が(2011年)8月28日、木更津市内で開かれました。
 小櫃川(おびつがわ)は房総丘陵の清澄山系に源を発し、南房総の君津、木更津、袖ケ浦を流れる川です。千葉県内では利根川に次いで2番目に長い川です。小櫃川の下流には、君津、木更津、袖ケ浦、富津の4市の水道水の取水場があります。小櫃川は、君津地域住民の水道水源ともなっているのです。
 その小櫃川の上流に産業廃棄物処分場が計画されたことから、大切な水道水源を守ろうと、地域住民がたちあがって同会が結成されました。23年前の1988年のことです。
 その後も上流域のあちこちで産廃・残土処分場の計画がもちあがったため、「守る会」はこの23年間、産廃・残土処分場の建設をやめさせることを中心に運動を進めてきました。
 したがって、総会と関係地域からの報告では、産廃・残土問題が大半を占めました。
 講演のテーマも「残土条例─成果と課題」です。産廃・残土処理場の差し止め訴訟で大活躍をしている田中由美子弁護士が講演しました。


■放射能汚染物の投棄に議論が集中

 講演のあとの質疑では、放射能汚染物の投棄問題に質問が集中しました。というのは、君津市で放射能汚染汚泥が水源地に投棄されているからです。また、木更津市でも、放射能に汚染されたガレキの埋め立てが計画されています。
 君津市では、すでに3月から産廃処分場に放射能汚染汚泥が投棄されていました。それがわかったのは5月になってからです。
 環境省は今年6月、放射能に汚染された一般廃棄物の処理方針を暫定的に定め、放射性セシウムが1キログラム当たり8000ベクレル以下であれば、最終処分場で埋め立て処分できるとしました。
 さらに、環境省は8月27日、8000ベクレルを超えるものについても、10万ベクレル以下の場合は一般の最終処分場での埋め立てを容認する方針を決めました。地下水への汚染防止策などを講じることで安全な処理が可能と判断した、とのことです。
 そのため、放射能に汚染された焼却灰や汚泥などが、君津地域の産廃・残土処分場にどんどん廃棄される危険性が高くなりました。


■「憲法違反ではないか」

 質疑でだされた意見を一部紹介すると、こうです。
     「放射性物質が水道水源の小櫃川などへ漏洩する可能性は非常に大きい」
     「放射性セシウムは半減期(物質が元の量の半分まで崩壊するのにかかる期間)が約30年で、セシウムの半量が周辺の環境から消失するまでの期間は200年くらいといわれている。そんなものを一般の廃棄物と同じように扱っていいのか」
     「下水汚泥などの処分に困っているからとして、環境省がなんの根拠も示さずに、処分場埋め立て処分の許容範囲を8000ベクレルとか10万ベクレルにゆるめるのは憲法違反ではないか」
     「環境省が8000ベクレルまで許容範囲をゆるめたのは6月だ。また、放射性物質に汚染しているガレキや汚泥の処理などに関する特別措置法が成立したのは、つい最近だ。ところが、君津市では、すでに3月に放射能汚染汚泥の投棄がされていた。これは、明らかに違法行為だ」

 こんな意見が活発にかわされました。議論を踏まえ、情報公開や行政交渉などのとりくむを進めていくことになりました。




田中由美子弁護士をむかえて開かれた講演会




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